本研究の統一テーマ「源氏物語諸伝本の再検討を通して新提言へ」に即して、2年目の今年度も「源氏物語河内本に関する研究」「源氏物語本文の位相に関する研究」「定家本本文と注釈の生成過程に関する研究」を、3回の共同研究会を中心に継続した。特に河内本「平瀬本」の翻刻テキスト版の刊行に向けての作業に力を注ぎ、平成21年度には刊行が可能な状況にある。 なお、9月11〜12日の通算第8回目の共同研究会を、源氏物語千年紀による要請を受けてイタリアのヴェネツィア大学において開催した。当該科研に関わる研究者9名、イタリアの日本文学研究者7名、計16名が、それぞれの研究テーマから『源氏物語』に関して二日間に亘って発表した。地元の新聞に取り上げられたこともあり、参加者も多く、実りある研究会となった。 平成19年度の研究分担者6名は、平成20年度は新設された連携研究者に移行した。その6名は〔國學院大學・文学部・遠藤和夫教授〕〔国文学研究資料館・文学形成研究系・伊藤鉄也教授〕〔高千穂大学・商学部・渋谷栄一教授〕〔福岡女子大学・文学部・田坂憲二教授〕〔国士舘大学・文学部・中村一夫准教授〕〔皇學館大学・文学部・中川照将講師〕である。
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