研究課題/領域番号 |
19202010
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研究機関 | 国文学研究資料館 |
研究代表者 |
落合 博志 国文学研究資料館, 文学資源研究系, 准教授 (50224259)
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研究分担者 |
陳 捷 国文学研究資料館, 文学資源研究系, 准教授 (40318580)
小川 剛生 国文学研究資料館, 文学資源研究系, 准教授 (30295117)
岡 雅彦 国文学研究資料館, 国文学研究資料館, 名誉教授 (20044729)
堀川 貴司 鶴見大学, 文学部, 教授 (20229230)
住吉 朋彦 慶應義塾大学, 附属研究所斯道文庫, 専任講師 (80327668)
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キーワード | 五山版 / 中世刊本 / 出版 / 書誌学 / 宋版 / 元版 / 朝鮮版 |
研究概要 |
本研究の基礎となる五山版の原本調査については、研究組織全体で行ったものとして、大東急記念文庫所蔵五山版の調査を8月以降毎月実施し、約100点の書誌カードを採取した。この調査を通して、個々の原本に関して従来指摘されていない様々な問題点が浮かび上がり、それらは順次論文等で報告して行く予定である。また2月に布施美術館所蔵五山版の調査を研究分担者・研究協力者計8名が参加して実施し、20点の書誌カードを採取した。その他、研究分担者・研究協力者が個別に調査した五山版ほか中世刊本も少なくない。 また8月と1月に研究会を開催し、研究発表と討議を行った。8月は、室町時代の興福寺における経典の印刷の実態を伝える資料を紹介する発表と、アメリカ議会図書館所蔵本と比較しつつ岩瀬文庫所蔵五山版の版種の再検討を行う発表があった。前者は中世の寺院における印刷の実態について具体例に即して考察するものであり、後者は現在の五山版研究の基準となっている川瀬一馬氏『五山版の研究』の記述を訂正する発表であった。また1月の発表は、国内外の図書館において誤って中国刊本や朝鮮刊本として登録されている五山版について報告・検討したもので、既存の報告に漏れた「埋もれた五山版」の発掘と、漢籍の五山版研究に当たって中国・朝鮮刊本を含む多くの本を比較することの必要性を認識させる成果であった。 以上の調査・研究を通して、古刊本研究において、伝本一点一点を実地に調査することの重要性が改めて明らかにされた。
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