本研究は、平安時代後期から室町時代末期までの、日本の中世に出版された版本を対象とする。特にその中心である五山版に焦点を当て、毎年100点程度の原本調査を行って刊記・序跋を初めとする詳細な書誌データを採取するとともに、それに基づいて中世出版年表及び五山版刊記・序跋集成を作成する。併せて、五山版以外の中世刊本についても可能な限り原本調査を行い、将来における中世出版史の再構築に備える。また五山版の文化史的意義を明らかにするため、出版の背景、五山文学と五山版の関わり、五山版における中国及び朝鮮刊本の影響などのテーマについて研究する。
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