(1)研究目的:論理・推論と日常言語による実現の普遍的特徴と個別言語による特徴をあきらかにすることを目的とする。最終的には、推論に対する言語形式、解釈文脈の性質、推論形式を用いた場合の知識のアップデートの統合的記述を実現し、言語表現の解釈と推論機構との関係に関するモデルを提出することを目標とする。 (2)研究方法:モデル理論的意味論による一般化を心理実験と実地調査によって得られた個別言語データに基づいて検証する。具体的には、条件文など推論機構の言語的反映となる形式に対して、厳密な記述を与え、さらに意味論と語用論をつなぐ認知的機構のモデルを提唱する。形式的な意味論としては、モーダルベースを採用したモデルを構築し、言語形式解釈の最大効率化に対するモデルとしては、関連性理論を採用し、これらをつなぐ認知的機構のモデルとしては、言語形式の使用を言語使用者の知識のアップデートとする談話管理理論を動的意味論の枠組みで再編したものを採用する。
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