研究概要 |
前年度にひきっづき、人物像の観点から発話の調査を進めた。調査の具体的内容としては、MRI撮像実験と日本語、英語、中国語、さらにドイツ語、韓国語の自然会話観察を行った。これらの結果を踏まえた上で、コミュニケーションと文法について、特にコミュニケーションにおける権利と義務の観点から新たな分析を行った。得られた成果は、文法面の成果においても(知識の表現と体験談では文法が違っていること、つまり知識の文法とは別に体験の文法があること)、コミュニケーション面の成果においても(知識と違って体験は表現するものではなく、やってみせるものであること)、これまでに知られていないものである。得られた成果は図書、論文、講演、発表を通じて積極的に社会還元し、人物像(発詔キャラクタ)をテーマの一つとする論文集の出版準備を進めた。以上の各段階において、前研究課題の中でわれわれが発足させた2つの研究会「日本語音声コミュニケーション教育研究会」と国際的な「日本語音声コミュニケーション研究会」を活用し、フィードバックにつとめ、基礎資料の充実化をめざした。さらに、以下3つのシンポジウム・ワークショップ・研究発表会を開催し、『音声言語』教育研究の次代の柱となるべき、若手研究者(研究協力者)はどしどし登用して育成をはかり、『音声言語』教育研究の国際的なネットワーク構築にっとめた。([1]は、上述の日本語音声コミュニケーション教育研究会の主催である。)[1]2008年7月24日ワークショップ「人物像と日本語教育」神戸大学(参加者:約30名)[2]2008年10月30日Workshop "Develcping New Methods and Resources for Processing Written and Spoken Language," Kobe University(ルーマニア、バベシュ=ボヨイ大学のEmmaTamaianu先生のプロジェクトとの合同開催)(参加者:約20名(closed))〔3]2009年3月28日、29日シンポジウム・研究発表会「役割・キャラクター・言語」於神戸大学(大阪大学・金水敏先生の科研プロジェクトとの合同開催)(参加者:約130名)
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