本研究は、基盤研究(A)「日本語・英語・中国語の対照に基づく、日本語の音声言語の教育に役立つ基礎資料の作成」(H16-19)の成果をより有用なものにするために、「最終年度前年度申請」制度での申請を行って、認められたものであり、その目標を前科研から継承している。 その目標とは、「音声言語」を教育するために、日本語の「音声言語」がどういう話し方を指すもので、学習者に何をどう教えればよいのかを、現場教師にわかりやすく示すための基礎資料を作成するということである。そのためには、日本語話者がどんな音声をどのように発しており、それがコミュニケーションにおいてどのような行動となり得ているか、調音と発話行為の両面の実態を、それぞれMRI実験とコミュニケーションの記録観察を通じて調べ、法則化する作業が必要である。 本研究は、「人物像(キャラクタ)」というこれまでにない概念を新しく導入することにより、「その人らしいしゃべり方」という、これまでよりもきめ細かな音声言語の観察を進め、基礎資料に反映させようとするものである。
|