研究課題
本研究は、東アジア前近代歴史資料のネットワーク上における共有化を進めるために、日韓歴史資料の言語横断的検索を可能にする歴史語彙辞書および検索システムを研究することを目的とし、その第一段階として、日韓において分散所蔵状態にある「宗家文書」について、目録データ検索を漢字語レベルにおいて共有化し、あわせて資料画像のデジタル化を推進することにより、歴史資料のネットワーク共有を進めようとするものである。平成19年度においては以下の事項を実施した。1.朝鮮総督府編『朝鮮語辞典』のうち日本語部分のデータ入力。2.『東京大学史料編纂所所蔵宗家史料目録』のうち注記部分の韓国語翻訳とデータ入力。以上は、日韓言語横断検索用辞書の基礎データとなるものである。入力に専門的知識を要し、システムの実用設計を並行して行ったため、多大の時間を要し、作業は19年度中に完了せず、予算を繰り越して、20年度にも引き続き実施した。3.研究用サーバの購入。1.および2.の成果を踏まえて、日韓言語横断検索システム研究開発のために、繰越予算によって20年度に購入した。4.東泉大学史料編纂所所蔵宗家史料マイクロフィルムのデジタル化。これによって、検索結果として資料画像を表示することも可能となる。5.韓国国史編纂委員会・韓国学中央研究院・ソウル大学校奎章閣韓国学研究院の訪問。韓国における「宗家文書」所蔵機関および主たる歴史研究機関である各所に出張し、データ共有化への理解を深めるための情報交換を行った。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)
電子情報通信学会論文誌D J90-D10
ページ: 2914-2923
情報処理学会「人文科学とコンピュータシンポジウム」
ページ: 17-22