研究課題/領域番号 |
19202021
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
吉尾 寛 高知大学, 教育研究部人文社会科学系, 教授 (40158390)
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研究分担者 |
葭森 健介 徳島大学, 総合科学部, 教授 (50191648)
都築 晶子 龍谷大学, 文学部, 教授 (00115601)
伊藤 宏明 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (60135275)
三木 聰 北海道大学, 文学研究科, 教授 (90165986)
松浦 章 関西大学, 文学部, 教授 (70121895)
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キーワード | 東洋史 / 中国 / 台湾 / 民衆運動 / 地方史実 / データベース |
研究概要 |
Iデータベース「中国民衆運動史実」(以下DBと略称)の構築:(各運動に関する1地点/時系列の)主要な文字データと画像データ、関係する二次史料、史跡等の調査結果・全画像データ、先行研究の一覧から成るDBを試作。高知大学総合研究棟内研究室にサーバーを設置し、研究分担者、海外の連携研究者がWEB上で史実を入力する環境を作りあげた。かかるDBの構築と国際的取り組みは日本、中国の学界でも始めての試みである。とくに中国、台湾の連携研究者には直接訪問して操作方法等を説明した。(DBは2009年4月現在なお史実集積中につき公開していない) II文字データの入力:本年度当研究班では、先ず唐末までの民衆運動について正史の記述等(各『農民戦争史史料』中華書局刊所載)1000件近くを入力した(龍谷大学)。明代以降では、史料の数の多さから、国内外の所蔵機関に」おいて入力すべき史料を選定する作業を行った。 III現地調査と画像データの収集:唐末以前を担当するメンバーが先がけをなし、08年3月山東省南部〜江蘇省北部にかけて陳渉・呉広、劉邦、赤眉、黄巾、孫恩、黄巣等各反乱に関係する地点(大沢郷渉故台、沛県大風台、〓寧県古〓鎮、雲台山、柳阜鎮黄巣村等)を踏査した。09年03月には繰越分の計画、黄巾の乱・大乗の乱に関する河北省鉅鹿および糞州周辺における探索も完了した。こうした踏査は日本の学界で前例がなく、その過程で多数の貴重な画像データを得た。 IV先行研究の掌握:唐五代、宋代、明清の抗租・抗糧・搶米・民変の先行研究の目録化を進めた(一部公表)。 V国内外の学界に対する本研究のアピール:日本の「明清史夏合宿」の「抗租」シンポジウムを共催した外、中国の全国・国際級学会(明史国際学術研討会)ならびに地域文化に特化した学会(淮河文化研討会)において具体的問題をもとに本研究の主旨(史実の電子化による中国民衆運動の歴史動態の分析)を発表し、反響を得た。
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