「植民地責任」概念を中心に据えて、西欧諸国の植民地であった地域の脱植民地化の歴史過程を植民地・宗主国の双方向的関係の中で比較史的に分析し、脱植民地化についての新しい理解を提示するとともに、歴史学における「植民地責任」研究の手法を開発し、その概念を確立することを目指す。そのために、(1)「植民地責任」をめぐる謝罪・補償の要求の事例の分析、(2)(1)の動きの背景にある法的および歴史認識上の枠組みの分析、(3)(1)(2)の前提となる脱植民地化の諸局面の歴史的分析、(4)諸地域における多面的な「植民地責任」論の検討、(5)「植民地責任」論から大規模暴力犯罪論への発展の可能性の検討、を行う。 上記テーマについて、研究分担者・連携研究者の現地調査を含む研究を進め、研究会形式で報告・検討するとともに、公開シンポジウムや出版の形でその成果を発信する。
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