研究課題/領域番号 |
19202027
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
田林 明 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (70092525)
|
研究分担者 |
呉羽 正昭 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (50263918)
松井 圭介 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (60302353)
菊地 俊夫 首都大学東京, 大学院・都市環境科学研究科, 教授 (50169827)
西野 寿章 高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (40208202)
山本 充 埼玉大学, 教養学部, 教授 (60230588)
|
キーワード | 地域性 / 景観 / 集落 / 生活様式 / 農村空間 / 商品化 / レクリエーション・観光 / 地域資源 |
研究概要 |
本研究は、農村空間の商品化がどのような形で、どのように進行しており、さらにそれがいかに農村空間を再編しているかを、日本を対象に明らかにしようとするものである。一本年度は、これまでの研究成果のまとめと、研究成果の公開に関する作業を行い、必要に応じて現地調査の補足を行った。平成22年5月の日本地球惑星科学連合大会では、「商品化する日本の農村空間」のセッションを設け16本の発表行い、さらに日本地理学会の英文誌のGeographical Review of Japan Series B 82巻2号に「Commodification of Rural Spaces(農村空間の商品化)」の特集号を組み8本の論文を掲載した。7月に軽井沢で、11月に奈良で研究会を行い、2月末までに552頁にのぼる報告書を完成させた。その結果、農村空間の商品化にかがわる系統的課題を、(1)農水産物の供給、(2)レクリエーション・観光、(3)農村居住、(4)景観・環境の維持と社会・文化の評価の4つに整理・分類した。また、これらの諸類型がどのように分布し、日本の農村空間にどのような地域差を生じさせているかについて整理した。報告書では、まず、上記の4つの類型ごとの農村空間の商品化の実態について検討し、さらに日本における農村空間の商品化は、地形や気候といった自然条件と大都市の存在やそこからの近接性に大きく規定されていることがわかった。つぎに、日本のそれぞれの地方を特徴づける農村空間の商品化が展開する事例研究を提示し、さらに中国、ルーマニア、ドイツ、ブラジルなど外国の事例研究を示した。最後に、商品化する日本の農村空間の商品化の特徴を、文化的背景と内発的側面、そして都市農村関係から明らかにした。日本および先進諸国の農村で現在起きているさまざまな現象は、「農村空間の商品化」という視点を導入することによって、よく理解できることがわかった。
|