研究課題
本年度は、最終年度なので各地域・ジャンルで深まった調査の進展をはかり、総合化を目指した。東京圏では、鈴木裕之(連携研究者)がフランス・パリのアフリカ人ミュージシャンの活動を追跡・調査し、そこでの日本社会にいるアフリカ人芸能者や日本人プロモーターとの連絡・協力状況の実態を探り出した。また、若林チヒロ(連携研究者)は、滞日ガーナ人男性と日本人女性の国際結婚を継続して追跡し、ガーナへの帰国者の家族生活を日本人配偶者のガーナ生活を中心に調査した。また、名古屋圏では、滞日ウガンダ人の結集状況を、そのウガンダ・コーヒー店(ジコフィ・ショップ)での情報交換のあり様と金銭の貸借関係をめぐって、その調査を進展させた。名古屋都心でのコーヒー店の経営が厳しく郊外に店を転居させざるを得ないそのプロセスと転居後の状況について、名古屋班で調査した。特に、高村美也子(研究協力者)は、ウガンダ・カンパラでのジコフィ・ショップの親族調査をし、日本とウガンダとの緊密な連絡関係を跡付けた。さらに、日本との関係をもつ、あらたなウガンダ人の活動を見つけてその調査を進展させた。関西圏では、上田冨士子(連携研究者)を中心に、京阪神にいるアフリカ人のライフ・ヒストリー調査をおこない、日本社会に参入し続けるアフリカ人がうける誤解や困難の状況が改善されている側面と継続している側面とをあぶりだした。全体として、特に、この日本でアフリカ人が受ける困難状況とその改善策については、裁判となっている東京・新宿のアフリカ人の警官による「暴行」事案をめぐって、日本社会からのアフリカ人サポートの状況とその事件を追跡するマス・アメディアのあり方を丹念においかけ調査した。この新宿でのアフリカ人の動向をめぐっては、とくにイボ人の集会活動について、松本尚之(連携研究者)が詳細に参与観察をおこないその集会儀礼の様態に深い考察を加ええた。こうして今、全体総括の報告書を作成中である。
すべて 2010 2009 2007
すべて 雑誌論文 (24件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (6件) 図書 (3件)
『アフリカにおける天理教の活動』(天理大学おやさと研究所) 5
ページ: 35-43
『トンボの眼』(「共生」と「文化財保護」のネットワーク構築を目指すミニコミ誌) 17
ページ: 7-8
『法学研究』(慶應法学研究会) 第83巻第2号
ページ: 327-365
名古屋大学社会学論集 30
ページ: 21-38
生存学 2
ページ: 361-373
倉石都市民俗学の継承と展開-都市の伝承母体論と都鄙連続体論・都鄙区画論をめぐる理論化『民俗文化の探求』(岩田書院)
ページ: 252-275
「反人種主義という困難-『人種と歴史』を読み直す」、『KAWADE道の手帖レヴィ=ストロース 入門のために 神話の彼方へ』(河出書房新社)
ページ: 135-139
「セネガル・モーリタニア紛争-出来事から紛争への変貌」『セネガルとカーボベルデを知るための60章(エリア・スタディーズ78)』(小川了編著)(明石書店)
ページ: 107-110
「国境を越えて移動する人びと-アフリカと世界をつなぐ商業活動」『セネガルとカーボベルデを知るための60章(エリア・スタディーズ78)』(小川了編著)(明石書店)
ページ: 128-131
「アフリカとヨーロッパの壁-国を「脱出する」人びと」『セネガルとカーボベルデを知るための60章(エリア・スタディーズ78)』(小川了編著)(明石書店)
ページ: 132-135
「ナイジェリアにおける石油産業の展開と産油地域住民の運動」『途上国石油産業の政治経済分析』(坂口編)(岩波書店)
ページ: 175-200
「音声の優越する世界--仮面結社の階梯と秘密のテクスト形態--」『森棲みの社会誌--アフリカ熱帯林の人・自然・歴史II』(木村大治・北西功一(編))(京都大学学術出版会)
ページ: 329-345
アフリカ研究 75
ページ: 58-61
『ストリートの人類学』国立民族学博物館研究紀要 80
ページ: 385-406
『文化人類学』(日本文化人類学会) 74-2
ページ: 262-271
グローカル化現象のなかの共同体/共同性の生成:グローバル化を飼い慣らす(成城大学民俗学研究所グローカル研究センター) 1
ページ: 3-21
社会人類学年報 35
ページ: 1-31
アフリカレポート 49
ページ: 46-49
人口問題研究 65-2
ページ: 28-44
名古屋大学人文科学研究 38号
ページ: 133-144
「ストリートで生成するスラング:コート・ジボワール、アビジャンの都市言語」『アフリカのことばと社会:多言語状況を生きるということ』(梶茂樹・砂野幸稔編)(三元社)
ページ: 161-187
Opposition movements and the youth in Nigeria's oil-producing area : an inquiry into framing, in Protest and Social Movements in the Developing World(Shigetomi & Makino eds.)(Cheltenham : Edward Elgar)
ページ: 206-224
「形態としての家族・意識としての家族」『よくわかる現代家族』(神原文子・杉井潤子・竹田美知編)(ミネルヴァ書房)
ページ: 12-13
アフリカNOW 85
ページ: 7-11