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2008 年度 実績報告書

裁判員制度の人々の受容と望ましい制度運用について-裁判員制度は成功するか?-

研究課題

研究課題/領域番号 19203001
研究機関千葉大学

研究代表者

松村 良之  千葉大学, 法経学部, 教授 (80091502)

研究分担者 白取 祐司  北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10171050)
D・H フット  東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (10323619)
太田 勝造  東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (40152136)
木下 麻奈子  同志社大学, 法学部, 教授 (00281171)
堀田 秀吾  明治大学, 法学部, 准教授 (70330008)
キーワード基礎法学 / 刑事法学 / 裁判員 / 陪審員 / 法意識 / 刑事司法 / 量刑 / 事実認定
研究概要

本年度は第1に全員で、各国における司法への一般人の参加について、比較制度的な考察を行った。そこでは、通常日本では言及されない、北欧、旧東欧諸国(クロアチアなど、ロシアなどに司法への一般人の参加の新しい試みがなされていることがわかった。
第2に、裁判員裁判実験班(堀田、藤田)は、法曹三者合同模擬裁判員裁判における評議の対話資料を収集し、そのデータをもとに、計量言語学の立場から、裁判員と裁判官の判断要因、意識、思考体系の差異などの調査を行った。第3に、社会調査班は前年度行った一般人を対象とする裁判員制度と刑事司法に対する世論調査タイプの調査データの分析を行った。主な知見としては(1)被告人、被疑者に対して一般の人々が厳しい態度をとっているかどうかについては(この種の設問は、アメリカ行われている刑事司法についての調査でもよく用いられている)、一般的に厳しい態度を取っているが、因子分析を行うと、厳罰主義かどうかと、被告人、被疑者の手続き保障、適性手続きの軸が分かれて出てきているように見える。ただ、プロマックス回転を行うと、因子間相関はずいぶん高いので、両者が強く独立に分かれているというわけではない。(2)裁判員になる意欲は全般的には高くはないが、その中で意欲の高い人はどういう人かというと、自律的(他者へ政府への依存が低い)で、高学歴、高収入、マスメディアへの接触頻度も高くなにごとにも積極的な人々である。彼らは、そうではない人に比べて、刑事訴訟における被告人被疑者のの手続き保障にそれなりの理解を示している。しかし、彼らは他の人々に比べて死刑を下すことのためらいは小さい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 裁判員制度と刑事司法に対する人々の意識2008

    • 著者名/発表者名
      松村良之・木下麻子・太田勝造
    • 雑誌名

      北大法学論集59(4):2302-2228、2008年 59

      ページ: 2302-2228

  • [雑誌論文] Japanese Attitudes Toward tlie Lay Judge System and Criminal Justice2008

    • 著者名/発表者名
      松村良之・木下麻子・太田勝造
    • 雑誌名

      Chiba Journal of Law and Politics 23

      ページ: 204-284

  • [雑誌論文] 模擬評議の言語学的分析:発話の力から見た模擬評議2008

    • 著者名/発表者名
      堀田秀吾・橋内武・藤田政博
    • 雑誌名

      日本語用論学会第10回発表論集

      ページ: 161-168

  • [学会発表] 裁判員制度と刑事司法に対する人々の態度2008

    • 著者名/発表者名
      松村良之・木下麻子・太田勝造
    • 学会等名
      法と心理学会年次大会
    • 発表場所
      南山大学
    • 年月日
      2008-10-18
  • [学会発表] 裁判官が裁判員の参加形態・意見形成に影響を与える発話の分析2008

    • 著者名/発表者名
      堀田秀吾・藤田政博・中村純作
    • 学会等名
      法と心理学会年次大会
    • 発表場所
      南山大学
    • 年月日
      2008-10-18
  • [備考]

    • URL

      http://www1.doshisha.ac.jp/~mkinoshi/pro_a.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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