研究課題
「先住民族の権利に関する国連宣言」に関する大きな動きとして、昨年度から本年度にかけて、採択時に反対したカナダ、アメリカ、ニュージーランド、オーストラリアが次々と宣言への賛成を表明したことが挙げられる。その背景には政権交代もあるが、国内法との関係について精査した結果、整合が可能との結論に至ったという事情もある。これによって宣言の権威が一層高まったといえるが、同時に、宣言が国内法と整合しうる限りにおいて実現されうることが再確認されたと言うことでもある。我が国においては、アイヌ政策推進会議のもとで具体的政策の検討が進められているが、その中で研究代表者は、本研究の成果を踏まえ、先住民族政策としての意義を活かすために、国内法の枠の中で国連宣言の内実の適切な実現を図るべきことを指摘した。本年度の具体的研究活動としては、研究分担者とともにノルウェーにおけるサーミ民族政策への国連宣言の影響を現地において調査した。さらに、研究成果の公表の一環として、10月に『日本型先住民族政策の可能性-海外からの視点-』と題する国際シンポジウムを開催し、米欧亜を代表するアメリカ、フィンランド、台湾における先住民族政策の経験を踏まえ、「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会報告書」に基づくアイヌ政策を日本型先住民族政策と位置づける可能性及び妥当性について討論したほか、9月に北海道主催の「アイヌフォーラム北海道2010」、10月に北大アイヌ・先住民研究センターと共同で開催したシンポジウム『アイヌ政策の実現に向けて-現状報告とアイヌからの提言-』、2011年3月に日本学術会議とアイヌ・先住民研究センターが共催したシンポジウム『今、アイヌであること-共に生きるための政策をめざして-』などで国連宣言を参照したアイヌ政策のあり層方について報告した。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (14件)
環境秩序と公私協働(吉田克己【編著】)(北海道大学出版会)
ページ: 31-35
ドゥオーキンの法・政治哲学(宇佐美誠・濱真一朗【編】)(勁草書房)
ページ: 掲載確定
アイヌ研究の現在と未来(北海道大学アイヌ・先住民研究センター【編】)(北海道大学出版会)
ページ: 142-180
ページ: 188-192
アイヌ-美を求める心(アイヌ文化振興・研究推進機構【編】)(アイヌ文化振興・研究推進機構)
ページ: 148-154
開発こうほう
巻: 568号 ページ: 13-17
学校運営
巻: 593号 ページ: 14-17
判例時報
巻: 2078号 ページ: 164-168
法律時報
巻: 82巻3号 ページ: 24-33
比較法研究
巻: 71号 ページ: 119-125
Designing Our Future : Local Perspectives on bioproduction, ecosystem and humanity.(IR3S book series vol.4)(OSAKI, M., BRAIMOH, A., NAKAGAMI, K. (eds.))(United Nations University Press
ページ: 360-374