2008年度の重点研究課題は、臨床法学教育と司法修習との関係である。これについては次の3件のセミナーを実施した。 11.テーマ:「新しい法曹養成制度における司法修習の役割-前期が存在しない新司法研修所教育の限界を実務修習でどのように補うか?-」 日時:5月28日(水);講師:松島洋氏(弁護士・司法試験委員会委員・元司法研修所教官) 2.テーマ:「日本における学生実務規則の制定について」 日時:7月24日(木);講師:三澤英嗣氏(弁護士・渋谷パブリック法律事務所) 3.テーマ:「法科大学院の実務導入教育と司法修習の役割分担を巡る議論の現状について」 日時:11月20日(木);講師:井上裕明氏(弁護士・日本弁護士連合会法曹養成対策室長) また、法科大学院学生の実務権限を明確化する準備として、学生実務規則に関するアンケート調査を実施した。この調査結果も踏まえて、2009年5月16日に臨床法学シンポジウム「法科大学院の実務教育と司法修習-民事法領域を中心にして-」を開催する予定である。 上記の他に、「全国リーガル・クリニック調査報告書」(2009年5月刊行予定)の作成作業をすすめた。また、法科大学院の臨床教育担当者をセミナーに招き(2009年1月16日に島根大学、2009年2月24日に獨協大学)、各校の教育プログラムに検討した。海外の臨床教育については、2008年4月27日にワシントン大学セントルイス・ロースクールのピーター・ジョイ教授を招き、ワークショップ「臨床法学教育の全国教員組織の果たす役割」を開催した。7月27日には、ロンドン大学のアブロム・シャー教授を招き、ワークショップ「司法改革時代の英国および日本の法専門職教育」を開催した。前者については、臨床法学教育学会の機関誌である『法曹養成と臨床教育』第1号(2009年)にその詳細が掲載されている。
|