研究課題
本年度は、日露戦後の大韓帝国の国際的地位が日本の「保護」から「併合」にいたる過程に関する、包括的史料収集に基づく体系的・総合的研究の2年度であった。国際政治、地域的結合、韓国社会の変化の3視点からの研究が、前年度に引き続き行われ深化した。第1に史料の包括的収集と研究枠組の統合がなされた。史料は各自が役割分担に基づき精力的に未刊行史料が収集され、刊行資料・文献も集められ、収集先が選別された。原田・浅野・永島は韓国で国立中央図書館、ソウル大、高麗大、国民大などで未刊行史料を調査・収集し、長田は米国議会図書館、英国公文書館で未刊行史料を調査・収集し、浅野は台湾中央研究院でも史料を調査し、堀・姜は東京で、森山は関西・九州で史料を調査・収集した。これらの諸史料は全員の精査を経た後、来年度から関係各方面に配布され、一部はホーム・ページで公開する予定である。第2に全体の研究枠組統合・研究計画精緻化のため、2008年7月(東京)、11月(名古屋)、2009年3月(京都)で研究会を開いた。この結果、各自の役割分担(報告内容と執筆計画)が具体的に決定され、来年度の韓国側研究協力者との合同研究会さらに最終年度のシンポジウム開催・論文集刊行の展望が開けた。第3に研究深化に伴い各自が成果を発表し各方面の関心喚起にも努め、例えば東アジア近代史学会とのシンポジウム共済など具体的な成果公表計画も進展した。以上のように、本年度は前年度の試行錯誤的研究計画から脱して具体的・効果的な計画を遂行することができ、ホーム・ページの開設への準備も整い、韓国側研究協力者が具体的に確定するなど、今後の研究の進展を予測しうるに至った。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)
東アジア経済研究 (京都大学) 第3号
ページ: 1-28
法学会雑誌 (首都大学東京) 第51巻1号(掲載確定)
九州史学 創刊50周年記念論集・下巻
ページ: 253-271