研究課題
本年度は、日露戦後の大韓帝国の国際的地位が日本の「保護」から「併合」に至る過程に関する、包括的史料収集に基づく体系的・総合的研究の3年度であった。国際政治、地域的結合、韓国社会の変化の3視点からの研究が前年度に引続き行われ深化し、かつ来年度の国際シンポジウムヘ向けての具体的準備を行った。第1に史料の包括的収集と研究枠組の統合がなされた。史料は前年度の選別に基づき効果的に収集された。収集先も韓り、中国、アメリカなどに亙り、日本国内での収集も最終段階に入っている。これらの諸史料は全員の精査を経た後、今年度から分担者に配布されたが、関係各方面への配布およびホーム・ページを通じた公開は、対象の選別に手間取り、完全に行える状態にはなっていない。来年度の課題である。第2に全体の研究枠組統合・研究計画精緻化のため、2009年11月(熊本)で研究会を開いた。この結果、各自の役割分担(報告内容と執筆計画)が具体的に決定され、また韓国側研究協力者(ソウル大学の李栄薫、趙英俊両教授)と台湾側研究協力者(台湾成功大学の呉密察教授他1名)も確定し、さらにシンポジウムの会場(首都大学東京)も確保され、来年度のシンポジウム開催への展望が開けた。なお、論文集刊行助成獲得おにび出版社確定の作業中である。第3に研究深化に伴い各自か成果を発表し各方面の関心喚起にも努め、例えばアメリカのAssociation for Asian Studiesでメンバーが報告を行い、日本でも東アジア近代史学会の大会でメンバーが報告することが決定されるなど、具体的な成果公表も進展している。以上のように、本年度は前年度に引続き着実に研究を深化させ、来年度の研究完成を確実とした。
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第二次日韓歴史共同研究報告書(同会編) 第3巻
ページ: 5-28
東アジア:経済研究(京都大学上海センター) 第3号
ページ: 15-40
法学会雑誌(首都大学東京・東京都立大学) 第50巻第1号
ページ: 1-20