研究課題
本年度は、日露戦後の大韓帝国の国際的地位が何ゆえ如何に変化したのかを、日韓両国間の研究者ネットワークに基づき、また国内・海外の包括的史料収集による実証的かつ斬新な視角による総合的研究の最終年度として、国際シンポジウムの開催を意図した。第一に、最終的に研究組織を確定し、分担者・協力者の役割分担に伴う発表へ向けての研究を行った。とくに日本側では新城道彦(九州大学)が韓国宮中の動向を、韓国側では李栄薫および趙英俊(ともにソウル大学)が韓国財政の動向を、それぞれ研究・発表することが確定した。これにより、これまでない斬新な視角からの研究の展望が開けた。第二に、国内・海外の最終的な史料収集を行い、可能な限り入手しうる史料を収集・確定し、これに基づき、史料の整理・分類に基づいた包括的な史料集(年表・地図も含む)の完成への展望が開けた。そしてまた、シンポジウムの発表原稿の完成が目指された。第三に、日韓両国間でシンポジウムの形式・方法・発表内容等につき、双方が頻繁に交流して確定し、シンポジウムを非公開・自由討論、通訳付きで、2010年8,月29日(1910年の韓国併合条約発表の日)に、首都大学東京晴海キャンパスで行うことを確定した。第四に、計画通り首都大学東京で「韓国併合に関する日韓国際シンポジウム」を行った。非公開ながら、研究分担者・協力者以外にも台湾や国内からの限定的参加者も得た。最後に、研究・シンポジウムの成果を論文集として刊行することを決定し、史料集の最終的官制とともに、発表原稿の精緻化とともに最終稿の完成を俟って、平成23年度に科学研究費補助金の成果刊行助成に応募することを決め、原稿完成作業中である。
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社会経済史学
巻: 76巻 ページ: 27-51
東アジア近代史
巻: 14号 ページ: 1-16
19世紀東アジアにおける国際秩序観の比較研究(吉田忠編)
ページ: 215-235