研究課題/領域番号 |
19203012
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
橘木 俊詔 同志社大学, 経済学部, 教授 (70112000)
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研究分担者 |
藤田 昌久 京都大学, 経済研究所, 教授 (90281112)
井堀 利宏 東京大学, 経済学研究科, 教授 (40145652)
伊多波 良雄 同志社大学, 経済学部, 教授 (60151453)
八木 匡 同志社大学, 経済学部, 教授 (60200474)
太田 聰一 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (60262838)
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キーワード | 地域間格差 / 地方財政 / 人口移動 / 人的資本 / ジョブマッチング |
研究概要 |
2008年度は、福祉に関する住民の意識や行動についての調査・研究を中心に行った。この調査のため、「地域の生活と福祉に関するアンケート調査」を京都市伏見区と東京都足立区を対象に実施した。この調査では、1)地域との関係性、2)健康状態、3)生活保護の状態、4)現在の生活意識、5)公的年金、公的医療保険制度への加入状況、6)世帯属性、7)所得・資産状態を質問しており、所得分配状態、貧困状態を明確にし、適切な社会保障制度に関する分析を進める基礎データを作成することができた。特に、ベーシックインカムの分析および負の所得税に関する分析を進める上で必要な質問項目を数多く含んでおり、税制を用いた貧困問題の解決方法に関する示唆を得ることができた。社会保障制度に関しては、特に低所得層の加入状態が重要な問題となっており、現状を把握し、最適限の生活保障を政府が提供するための政策を明確にすることが課題となっている。この点に関しても重要な分析結果を得ることができており、政策提言に結びつける作業を進めている。貧困問題の把握と解決を行う上で重要なのが、生活保護の現状と、貧困の再生産メカニズムの分析である。本研究では、どのようなメカニズムで貧困が深刻化し、それが世代を通じて再生産されるかを明らかにする研究を進めた。特に、世帯構成、就業能力、教育との連関を明確にすることが重要な課題として設定されており、この点に関して現在も研究を進めている段階である。 以上のように、格差社会の問題の中でも、特に貧困問題に焦点を当て、地域間における貧困問題の違いを明確にする研究を行い、地域特性とそれに対応した自治体の福祉政策のあり方、および中央政府の社会保障政策について、研究成果を出している。
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