研究課題/領域番号 |
19203013
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中村 良平 岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 教授 (20172463)
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研究分担者 |
徳永 澄憲 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (10150624)
黒田 達朗 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (00183319)
曽 道智 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60284345)
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キーワード | NEGモデル / 東アジア / 市場ポテンシャル / 地域格差 / 産業集積 / 生産性 / 輸送費用 / コンパクト・シティ |
研究概要 |
中村は、所得格差に関して、修正の経済の観点から日本とイギリスの比較を行った。また、集積の経済に関する展望論文を本の一章として刊行した。 徳永は、Lu and Tokunaga(2008)で、新経済地理学(NEG)モデルに基づき東アジアにおける日系食品企業の新規立地要因分析を行い、市場ポテンシャル要因が新規立地要因として重要であることを実証的に明らかにした。一方、Jin and Tokunaga(2009)では、NEGモデルに基づいた中国の食品産業の生産関数分析を行い、産業集積要因が生産に正の生産力効果を与えることを実証的に明らかにした。 黒田は、新経済地理の分野においても、輸送費の低減に伴い、クルーグマン(1991)のモデルによれば集中が進むのに対し、移動できない労働者を考慮しないヘルプマン(1998)のモデルによればむしろ分散が進むというように、想定する条件によって相反する結果が得られている。そこで、本年度はヘルプマンのモデルの拡張として、家計の公共財に対する選好の違いが人口の集中・分散に与える影響を分析した。これにより、家計の公共財に対する選好が一様分布で各地域の政府がそれぞれの住民の中位の選好に基づいた厚生最大化の税率の決定およびその税収による公共財の提供を行った場合、ヘルプマンとは逆にクルーグマンの結果と同様になることを示した。 曽は、都市集積の部分に関して、(1)比較優位と収穫逓増生産技術が現れるときの国際貿易パタンーを分析した。成果はReview of International Economicsに掲載した。(2)空間経済学の視点から輸送費の異なる産業の集積パタンーを分析した。成果はJournal of Regional Scienceに掲載した。また、ゲームの理論を応用した地域間競争に関して、文化の違いによる交渉の失敗そして調停への影響を分析した。成果はThe Southern Economic Journalに受理され、印刷中である。
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