研究課題
今年度は、開発した統合的流域管理政策モデルの汎用性等を検証した。まず、中国嘉興市嘉善県を対象として、主に養豚業から排出される水質汚濁物質の適正処理のための堆肥化技術、中国型メタン発酵技術、排水高度処理の日本型メタン発酵技術等の新技術導入を含む環境政策の効果を総合的に分析した。水質汚濁物質を一律に30%以上削減するためには、日本型新技術の導入が必要なこと、その時のGRPの初期値との差額は300億円、必要なプラント設置数は1,500基、その設置コストは150億円であり、B/C比率が約2である等の結果を示した。また、統合的流域管理モデルを中国無錫市の重要な上水道水源である太湖の水環境改善のための地方環境税導入効果の評価と有効性の分析に適用した。環境税収は補助金として浄化プラントや浄化設備投資への補助金として支出する。税率は、有害ポテンシャルをCOD:T-N:T-P=1:4:200として、生活系に対して68円/kg-COD、産業系に対して6.9-35円/CODが最適であることを明らかにした。北京市の上水源で、養豚業の畜産廃棄物の不適切な処理に起因して水質悪化が問題となっている密雲貯水池の流域をフィールドとして、同貯水池の水質改善と流域で排出される温室効果ガス(GHG)排出削減のための総合的流域環境政策について分析した。特に、T-Nの処理に優れた高度処理バイオマス・リサイクルプラントおよび大型のバイオディーゼル・エネルギープラントを導入することを検討し、養豚業から排出されるGHGは、10年間で約16万トン削減可能であり、高度技術の導入は水質改善ばかりでなく、地球温暖化対策としても貢献することを明らにした。この他、中国の三湖三河川の一つである〓池流域についても分析を行い、また中国における水質汚濁物質排出権取引における各種初期割当方式の妥当性とその均衡価格予測シミュレーションを行った。吉林省との低炭素都市建設に関する共同プロジェクトは現在もその実現に向けて検討中である。
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