わが国の地方自治体を取り巻く環境は非常に厳しい。この現状を克服するには、自治体の経営改革を推進する処方箋が必要である。本研究では、この処方箋を、昨今の自治体改革で注目されているニュー・パブリック・マネジメント(NPM:日本では行政経営と通称されている)の手法に基づいて考察している。イギリスはNPMの先進国であり、日英の自治体経営の現状を比較考量することで、わが国自治体を改革するための解決策が見えてくると予想される。研究の成果物は、会計、監査、財務管理、組織編制、パブリック・ガバナンス、マーケティングなどの行政経営の領域ごとにケース・メソッドという形で集約することを目標としている。なお、ケース・メソッドの一部については、日本語だけではなく英語で作成し、イギリスの地方自治体関係者への情報提供を通じて、一層の研究協力を得て、より大きな研究成果の実現へと展開を模索している。
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