本研究の目的は、1980年代以降アメリカを中心として、理論的にも実践的にも急速に発展して来たプログラム評価の理論と方法論を用いて、新しく導入されつつある日本の社会福祉実践プログラムを、科学的根拠に基づく効果的なプログラムモデルとして構築するためのアプローチ法を開発・定式化し、社会福祉実践プログラムに関わる関係者間で共有することにある。 そのために、高齢者福祉領域、児童・思春期福祉領域、障害者福祉領域、精神保健福祉領域の新しい実践プログラム開発に関わる関係者が合同の研究会を組織し、集中的な議論を重ねながら、各領域の社会福祉実践プログラムにプログラム評価の理論と方法論を適用して、それらが、より効果的なプログラムに発展するためのアプローチ法を検討し、関係者間で共有する。その上で、それぞれの領域で重要な位置づけを持ついくつかの新しいプログラムを取り上げ、検討したアプローチ法を適用して、より優れた効果を持つプログラムに発展する可能性を検証する。この検証結果を踏まえて、日本の社会福祉実践プログラム領域に適合的で、より効果の上がるプログラムモデルの開発・構築に有効なアプローチ法を提案し、社会福祉学関係者間における合意形成に資することを目指す。
|