研究分担者 |
高谷 紀夫 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (70154789)
市橋 勝 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 准教授 (10223108)
坂田 桐子 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (00235152)
入戸野 宏 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 准教授 (20304371)
礒部 智加衣 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 助教 (20420507)
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研究概要 |
まず,社会的痛みについての理論的・概念的枠組みをより精錬するため関連研究のレビューを行った。そのレビューは本年後半に刊行される書物の1章として刊行される予定である。次いで,昨年に引き続きマクロ,メゾ,マイクロそれぞれの観点から実証的な検討を行った。 マクロレベルからのアプローチとしては,fMRIを用いて排斥経験中に与えられるソーシャルサポートが左外側前頭前野の活性を促すことが明らかとなった。また,同じくfMRIを用いた実験によって,特性自尊心の低い者は高い者と比較して排斥時にdACCとvACCを含むネットワークがより活性することが示された。さらに,NIRSを用いた実験によって,一般的信頼の高さが排斥を経験しているときの右腹外側前頭前野の活性と関連することが示された。 メゾ・マクロレベルからのアプローチとしては,公正なる世界観と制度への信頼ならびにハイメインテナンス相互作用が犯罪加害者の受容に及ぼす影響について調査ならびに実験的検討を行った。一連の検討によってまず,社会制度への信頼が低い場合,公正なる世界観を高く内在化する者ほど,推定無罪の状態にある被疑者への受容性が低くなることが示された。さらに,日常的に経験するものであれ,一時的に経験するものであれ,ハイメインテナンス相互作用は公正なる世界観の高さと犯罪加害者への非寛容性との関連を強めることが明らかとなった。
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