研究概要 |
研究代表者は, 以前に定義した曲面上のホモロジーシリンダーの族に対する無限個の位相不変量が,微分可能なカテゴリーばかりではなく, 位相的なカテゴリーでも意味を持つことを示した. そして, これらの不変量が,微分可能構造を許容するための障害となっていること, 更にはホモロジー3球面のホモロジー同境群上の無限個の加法的不変量のtransgress像となっているのではないか, という予想を定式化した. また研究代表者は, 連携研究者の鈴木正明氏および研究協力者の逆井卓也氏と共同で, 閉曲面の1次元ホモロジー群の生成する結合的な自代数のシンプレクティツク微分全体のなすリー代数のアーベル化について, 実験的な結果を積み重ね, ある予想を定式化した. 研究代表者は10月に数理科学研究科で開催された日仏科学フォーラムに参加し, 講演および研究交流を行った. とくにKontsevich教授と絶対ガロア群のある位相的な像について討論した. 連携研究者の北野晃朗氏は鈴木正明氏の協力を得て, 写像類群に関する研究集会を開催し, 米国MITのPutman氏を含む研究者による研究発表および討論を行った. 研究分担者の古田幹雄は, 米国MITに滞在しMrowka教授と研究交流を行った. とくにゲージ理論による4次元多様体の研究を推進した. 研究分担者の坪井俊は, 解析的な微分同相群の構造, とくにその単位元の連結成分の完全性について考察を深めた. 研究分担者の河野俊丈は, 反復積分の手法によるループ空間のホモロジー群の構造の研究を推進した.
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