研究概要 |
特異点をもつ曲線と曲面の幾何学について,本年度は以下の成果を得た. (1)分担者の山田氏と連携研究者の佐治氏と,前年度に与えたA_K型の特異点の判定条件の応用として,超曲面のA_K型の変曲点と同じ型の特異点との間の双対性に関する研究を行ない,その応用として,3次元Euclid空間内にはめ込まれた超曲面の2次の変曲点に関するBleekerとWilsonの結果を,射影空間における同種の公式に一般化した. (2)分担者の山田氏,グラナダ大学のMartin氏と共同で,前年度に与えた単連結かつ虚部も同時に有界な極小曲面を摂動して,2次元複素線形空間に完備かつ有界な任意種数の1次元複素部分多様体の構成および,3次元時空に弱完備かつ有界な任意種数の極大曲面が存在することを示した. (3)研究代表者は5月に,ケルン大学を訪問し,Thorbergsson氏と,平面曲線の2次以上の代数曲線による近似によって生ずる高次の頂点の個数の下からの評価に関する新手法について研究討論を行った. (4)これらの研究の推進・発展のため研究代表者は分担者の山田,間下,橋本等適宜連携して,9月,11月,3月に研究集会を開催し,この研究テーマに関する研究者同士の研究連絡や研究交流を行った.
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