研究課題/領域番号 |
19204009
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
谷口 正信 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00116625)
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研究分担者 |
清水 邦夫 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (60110946)
近藤 正男 鹿児島大学, 理学部, 教授 (70117505)
宇野 力 秋田大学, 教育文化部, 准教授 (20282155)
宮田 庸一 高崎経済大学, 経済学部, 専任講師 (10514250)
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キーワード | 統計解析 / 確率解析 / 統計的漸近理論 / 多変量解析 / 計量ファイナンス / 経験尤度解析 / 金融工学 / 順位統計量 |
研究概要 |
統計学の応用諸分野で、非対称な分布が現れる。この非対称分布を想定した統計解析において本研究では、まず一般的なベクトル線形過程でその革新過程の分布が非対称正規分布に従うと想定して、局所漸近正規性に現れるcentral sequenceが非対称母数の動きに対して、どのような摂動をするかを見た。central sequenceは最適推測、最適検定、最適判別等の統計手法の最適性を記述する最も基本的な量である。やはり観測過程の応答関数が単位根に近づくにつれて摂動が大きくなった。金融解析においてポートフォリオ係数の統計的推測は重要なテーマである。研究代表者谷口、分担者白石は、金融収益率過程が従属構造を持つとき従来の平均、分散型ポートフォリオ推定量は漸近最適性をもたないことを示し、さらに最尤推定量型の漸近最適推測を発展させてきた。この流れにおいて、金融収益率過程の革新過程の分布が非対称である場合、平均、分散型ポートフォリオ推定量の漸近分散が非対称母数に関してどのような摂動をするかを見た。やはり応答関数が単位根やマイナス単位根に近い根を持つ場合に摂動がおおきくなることを見た。また、必ずしも分布形や時系列ダイナミクスの形が未知な場合(ノンパラメトリック)、従属標本に対しても経験尤度解析を、非正規線形過程、や安定過程に広げ、尤度スコアの一般化、推定関数化も行い、金融解析に応用した。時系列の新しい設定の変化点推測や独立成分分析等にも時系列解析の最新手法を用いた研究進展があった。
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