研究分担者 |
舟木 直久 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (60112174)
重川 一郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00127234)
谷口 説男 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (70155208)
熊谷 隆 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90234509)
関根 順 京都大学, 経済研究所, 准教授 (50314399)
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研究概要 |
確率解析の基礎理論について,研究分担者の舟木,乙部らはウィナー空間上の部分集合上の積分に対するガウスの発散定理について研究を進めた.これは連続イジングモデルなど統計力学的のモデルを解析する際に必要となるもので,従来の結果の拡張を図るとともにマリアバン解析からのアプローチも試みている. 重川,会田らは,確率解析の理論のさらなる整備のため,経路空間上のシュレディンガー作用素のスペクトルについて研究を進めた.特に会田は,リーマン多様体上のパス空間で定義されたシュレーディンガー作用素の最小固有値の準古典極限をラフパス解析,対数ソボレフ不等式,大偏差原理を用いて決定した.ラフパスについては原,大偏差原理については竹田も対称安定過程のジャンプ型加法的汎関数に対して研究を進めた. 解析学への応用として代表者の松本はコンパクトリーマン面上の微分作用素に作用するラプラシアンに対してセルバーグ跡公式を証明し,マースラプラシアンとの関係を明らかにした.また谷口はウィナー空間上の2次の汎関数に対する研究の応用として,KdV方程式の解析への応用を与うた. 確率解析特にマリアバン解析の数理ファイナンス,数値解析への応用に関して研究を進めた.Kohatsu Higaは,金融派生証券の価格付け公式のパラメータに関する微分(パラメータの変化に対する鋭敏性を表しグリークと呼ばれる)に対する従来の結果が数値計算に適さないことを注意し,その改良を与えた.杉田は,モンテカルロ法に確率的ゲーム(賭け)としての数学的定式化を与えた 上に述べた成果の多くの発表,関連結果の発表および研究連絡の場として,「確率解析とその周辺」,「確率シンポジウム」の2件の研究集会を開催した.
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