研究課題/領域番号 |
19204016
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
瀬田 益道 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (80358994)
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研究分担者 |
中井 直正 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (80192665)
山内 彩 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 準研究員 (70431674)
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キーワード | 電波天文学 / 南極 / サブミリ波 / 電波望遠鏡 / 銀河系 |
研究概要 |
南極大陸内陸部の高原地帯にあるドームふじ基地における天体観測の実現を目指して、可搬型サブミリ波望遠鏡の開発を行っている。今年度は、望遠鏡システムの設計製作を行った。観測帯域は、星間物質の主要なプローブである、一酸化炭素分子と炭素原子の観測に適した500GHzと定めた。アンテナシステムは、広視野望遠鏡の特性を最大に生かすオフセットカセグレン型とし、空間分解能は、既存のサーベイデータを有効に活用にできるように30cm鏡の採用で9分角とした。伝送光学系の設計においては、将来の高周波数観測の際にも、伝送光学系の更新を不要とする、周波数の依存性が少ない光学パラメータを定めた。望遠鏡の観測感度を定める受信機の開発においては、超伝導素子を用いた高感度受信機を採用した。小型軽量の4K冷凍機を採用しながら、信号窓径の最小化等により流入熱を抑制し、2系等の信号の同時受信が可能な高感度受信機システムを設計した。これらの機器を、南極現地での人力での運搬性を考慮して、60kg以下に分割できるようなシステムに仕上げた。アンテナ光学系のシュミレーションによる評価では、対称性が良い所望のビームサイズが実現できていることを確認し、伝送光学系は、観測周波数である500GHz帯に加え、1THzの観測においても、今回開発した伝送光学系が使用できることを確認した。冷却受信機の評価試験の結果、等価熱雑音換算で140Kの低雑音を実証した。研究の初年度の目標は達成したので、次年度以降、システム試験、試験観測へと研究を展開する。
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