研究課題/領域番号 |
19204017
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
片岡 淳 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (90334507)
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研究分担者 |
河合 誠之 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80195031)
松永 三郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (00222307)
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キーワード | 小型大学衛星 / 散乱偏光計 / 突発天体 / CMG / 硬X線天文学 |
研究概要 |
理学系では、衛星搭載型ガンマ線偏光観測を実現するために必要な各種要素技術の設計・検討と試作を行った。まず電磁シミュレータ(Geant4)を用いた最適化と、偏光計の詳細な構成やサイズ・シンチレータの配置を決定した。続いて散乱体シンチレータを読み出すための高感度光検出器の開発をすすめ、従来型に比して5割程度の感度向上を確認した。さらにH2ロケット打ち上げを想定して本タイプの光検出器を初めて耐振化することに成功した。吸収体シンチレータについても新規開発し、散乱体と合わせた信号処理系(フロントエンドカードやCPUボード)の開発を並行して行った。本偏光計が目標通りの性能を達成することを確認するため、1ユニット・プロトタイプ偏光計を製作し、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の放射光施設(PF)に於いて偏光ビーム試験を行った。検出器の回転に対し約50%程度の計数率モジュレーションが得られ、これはシミュレーション結果を良く再現する。一方で、今回製作したシステムは500Hz以上の高係数率に耐えられないこと、配線等の引き回しノイズに弱いことなどの問題点が明らかになり、来年度以降に改修を目指す。 工学系では、本研究が最終的に目標とする軌道上実証を実現するための小型衛星TSUBAMEの概念設計に係る基礎的な検討を行なった。理学系からあげられたミッション要求を吟味し、それを達成するための機能配分を行い、実現可能性を確認しながら、各サブシステムに必要な仕様を定義した。特に、姿勢制御系として、迅速な姿勢変更を可能とするための高トルク出力デバイスであるCMGの検討を詳細に実施した。まず、本衛星に最適なコンフィギュレーションとサイジングを重量、電力、制御性能の点で考察し、最適制御の観点に基づいた迅速姿勢変更制御則を提案した。さらに、CMGハードウエアを設計試作して、動作を確認した。
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