研究課題/領域番号 |
19204026
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中家 剛 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (50314175)
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研究分担者 |
横山 将志 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (90362441)
早戸 良成 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (60321535)
柴田 利明 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (80251601)
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キーワード | 素粒子実験 / 放射線、X線、粒子線 / 加速器 / ニュートリノ / 原子核反応 |
研究概要 |
研究は全般にわたり予定通り順調に進んでいる。平成19年4月から、SciBooNE測定器の設置とコミッショニングを行い、6月から予定通りデータ収集を開始した。6月から8月まで反ニュートリノビームでデータ収集を行い5×10^<19>陽子ビームのデータを収得した。5月末にフェルミ研で開催された「ニュートリノ反応」に関する国際研究会NuInt07で、SciBooNEの最初のニュートリノ事象について報告した。それに続く、原子核の国際会議INPC2007で中家が、SciBooNE実験の現状について報告した。 夏に測定器の改善と保守点検を行い10月からはニュートリノビームモードでデータ収集を開始した。平成20年3月末までに、9.8×10^<19>陽子ビームデータをニュートリノモードで収集した。これは当初目標の10×10^<19>をほぼ達成したことを意味する。 実験期間中は、京都大学院生の平出、栗本、中島と東工大の武井の計4名が現地に滞在し、実験のデータ収集に責任を持った。そして、宇宙線データとLEDデータを使った検出器の較正を終了させた。また、東大宇宙線研の三塚が早戸の指導のもと、フェルミ研を訪れ、ニュートリノ反応シミュレータNEUTの改善を行った。物理解析としては、ニュートリノエネルギー測定に必要な荷電カレント準弾性反応と、そのバックグラウンドである共鳴1π生成反応の研究を重点的に進め,平成20年3月にフェルミ研で開催されたPAC(Program Advisory Committee)でその最初の結果を報告した。 また、フェルミ研でのニュートリノデータの収集と並行して、新型光検出器MPPCの開発を行った。MPPCがシンチレータの波長変換ファイバー読出し法に適した光検出器であることを示した。現在、SciBooNE実験に必要なMPPCの較正をおこなっている。
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