研究課題
本研究は、開放系の1次元量子構造である量子ポイントコンタクト(QPC)において、ピンチオフ近傍に現れる局在したスピン状態(局在磁気モーメント:LMM)に注目し、コヒーレントな範囲内にある結合QPCにてのLMM検出によるスピンの量子操作をめざすものである。そのため、従来行われてきた低温磁気伝導観測に加え、極低温走査プローブ顕微鏡(SPM)を用いた走査ゲート顕微法(SGM)や、マイクロ波域パルス伝導法などの新手法を導入し、半導体やナノ炭素素材によるQPCにおける電子波ダイナミクスの直接観測を行うことを目的とした。初年度および次年度では、超伝導マグネット付低温下動作SGM観測装置を完成させた。最終年度では、同装置により高磁場下での上記QPCにおける伝導観測を行い、近藤効果の存在確認や同効果に関連した電子間相互作用に基づく伝導機構の解析を行い、論文雑誌発表や国内外における学会等において成果を報告した。これらはSGMによる、LMMの局所的な変調でのスピン位置特定用スピン操作のための高磁場印加であり、マイクロ波域パルス照射下での観測に備えた研究成果であった。研究実施期間のまとめとして、3年間での実験研究成果公表は、落合、青木とともに連携研究者の米国SUNYのJP.バード教授らとともに国内外学会発表や論文雑誌発表等にて行われ、量子ドット伝導関連の計算機実験の成果は中山らにより論文発表等がなされている。さらに、実施年度経過後においても、マイクロ波域パルス照射下での観測を実施するとともに、これら得られた成果を基にして、LMM検出によるスピンの量子操作をさらに検証するため、現在、波動関数挙動の計算機シミュレーションと対比しつつ、マイクロ波照射下のスピン生成とその量子操作の検証を行っている。
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