研究課題
基盤研究(A)
近年遷移金属酸化物など強相関電子系のデバイス応用への関心が高まっている。これは、強相関電子系では様々な量子相が競合しているため、外部からの小さな摂動により、秩序相間の移り変わりやそれぞれの相とは全く違った量子現象が現れるからである。例えば、強磁性金属を2つの超伝導体ではさむことにより、強磁性金属中に両超伝導状態(ゼロ状態)とは違った超伝導状態(π状態)が誘超される。このような電子の各自由度の示す性質や秩序がお互いに競合し様々な量子現象が現れる量子競合相の問題では、遷移金属酸化物だけでなく、分子性の有機化合物や生体物質についても重要である。また、様々な物質の界面で電子が閉じ込め効果を受ける時にも同様のことが期待される。しかし現象が多体効果に基づくことから、定量的研究は容易ではない。理論的には数値シミュレーション法が有力であり、多くの研究が行われているが、非常に単純化したモデル計算が中心であり、物質の個性を取り込む段階には至っていない。しかし、強相関電子系では様々な量子相が微妙に競合することから、物質の個性を取り入れた研究が重要である。本研究では、多体電子系の数値計算法を用いて、強相関電子系における競合する相の関係を明らかにし、その競合から生じる新奇な量子現象を引き出す。
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http://www.maekawa-lab.imr.tohoku.ac.jp