蛋白質結晶の湿度制御装置の開発と散漫散乱回折パターンの収集 今年度の交付金額では、申請書に記したリガク社Free Mounting Systemを購入することが不可能なため、結晶の湿度制御が可能となる装置群を自作し、X線回折湿度制御下の蛋白質の溶媒チャンネル体積の可逆的増減についての基本技術を確立することとなった。装置の自作においては、湿度制御装置を購入し、試料周辺ハウジングの製作、結晶観察のための装置を製作した。また、これまでの結晶急速凍結技術とは異なる結晶ハンドリング技術の確立が不可欠となるため、関連技術の調査を行った。また、グルタミン酸脱水素酵素、アリールマロン酸脱炭酸酵素、フォトトロピンなどの蛋白質を精製・結晶化し、湿度制御下に置いて期待される散漫散乱回折強度パターンを大型放射光実験施設において収集した。この散漫散乱パターン解析のための計算コードを開発中である。 蛋白質の水和構造解析 結晶化してもなお、一部のフラグメントやドメインが大きな揺らぎを有する蛋白質のグルタミン酸脱水素酵素、アリールマロン酸脱炭酸酵素の結晶構造解析を実施し、蛋白質のダイナミクスと水和構造の相関に関する結晶学的研究を行った。
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