研究分担者 |
林田 明 同志社大学, 工学部, 教授 (30164974)
北川 浩之 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (00234245)
奥田 昌明 千葉県立中央博物館, 研究員 (10311383)
石川 尚人 京都大学, 人間環境学研究科, 教授 (30202964)
公文 富士夫 信州大学, 理学部, 教授 (60161717)
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研究概要 |
琵琶湖における深層掘削計画は国際的な環境変遷研究として注目されており,その堆積物採取は日本における環境変遷研究の発展にとって重要である.まず,2007年度に琵琶湖全域の湖底堆積物分布の状況や堆積物構造・堆積速度分布などの基礎情報を均質で高密度で解析するために東西方向の約0.1度ごとの音波探査(10KHz Strata Box使用)を実施した.測線総延長距離は300kmにおよび,堆積物中の約30m深度までの反射面とその連続性が確認された.ピストンコアリングは6地点で実施された.現在までに,概略の解析が進んでいる4本の堆積相と火山灰の情報,古地磁気情報の詳細は,連合大会で発表予定である.概要は下記のとおりである.BIWO7-1:35°12'57.5N,136°00'05.9E (長さ9.42m)近江舞子沖,水深73m, BIW07-3:35°20'00.23N,136°13'49.66E(長さ8.60m)長浜沖 水深30m, BIW07-5:35°19'59.66N,136°11'53.95E(長さ13.77m)長浜沖 水深50m、 BIW07-6:35°13'59.02N,136°02'51.89E(長さ18.42m)沖ノ島西 水深55m.BIW07-1は均質な粘土層からなり,U-Oki火山灰層を含む約1万年をこえる記録, BIW07-3は長浜沖水深30m地点であり,下部に粗粒粒子の含有量が増加し湖水面変動影響記録が読み取れる. BIW07-5は長浜沖水深50m地点であり,粗粒粒子の含有は少ない. BIW07-6はAT火山灰や三瓶池田火山灰を含む均質な粘土層からなり,少なくとも5万年をこえる連続記録が得られたことになる.2008年度は100m級の掘削と3.5KHzの音波探査を予定しており,過去15万年を超える連続記録を用いた高精度環境変遷史解読をすすめる.
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