| 研究概要 |
高温での圧力スケールとして良く用いられるMgO,NaCl,Ar,Au,Ptを選び、それらの常温常圧～高温高圧における弾性波速度と体積(密度)の同時測定実験データに基づいて、使用した圧力スケールに一切よらない、絶対圧力測定を行う。また、放射光高温高圧X線回折により、上記圧力標準物質についての相対圧力スケールを求める。加えて、MgOと金について高精度な衝撃圧縮実験を行い、得られた測定データに基づいて圧力スケールの導出を試みる。これら本研究により得られた実験データを、第一原理及び分子動力学計算、既存の、圧力スケールに依存しない衝撃圧縮データ、熱膨張、弾性データ等と総合的に組み合わせることにより、地球マントル遷移層から下部マントル、コア上部を想定した、温度1000～3000K、圧力20～150GPaにおける、圧力スケールの世界基準を確定する。最終目標は、本研究により求められた圧力スケールを用いて、地球深部の地震波不連続面、内部の層構造、ダイナミクスの詳細を解明することにある。
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