研究課題
プラズマエッチングやプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition:化学蒸着)プロセスにおいて、高い運動エネルギーを持って物質表面に入射するイオンは、プラズマから同時に照射される光・ラジカル・電子の影響により、表面物質と極めて複雑な非平衡化学反応を、物質表面から数ナノメートルの深さの層(表面ナノ反応層)に誘起する。本研究は、数値シミュレーションと精密に制御された多種ビーム同時照射実験を用いてプラズマを「模擬」することにより、プラズマプロセスにおける、それぞれの入射種と物質との相互作用を明らかにするとともに、そのシナジー効果(反応素過程の重ね合わせが成り立たない非線形効果、即ち、反応の相乗効果)を明らかにして、高度に制御可能な新しいプラズマプロセスを構築することを目的とする3年のプロジェクトである。2年目にあたる平成20年度は、Si-O-F-C-H系の分子動力学シミュレーションにN原子を導入し、それを用いて、窒素系薄膜の堆積シミュレーションを行う準備を進めた。一方、低誘電率層間絶縁膜、とりわけ、SiOCHのエッチングシミュレーション、および、炭素系薄膜(グラファイト・アモルファスカーボン)に対する水素入射シミュレーションの解析も行った。さらに、質量分離イオンビーム実験において、イオンビームと紫外線照射の相乗効果を、SiO2およびポリマー(PMMA)膜に対してさらに詳しく解析した。
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Journal of the Vacuum Society of Japan (印刷中)
プラズマ核融合学会誌 (印刷中)
Thin Solid Films 517
ページ: 835-840
Journal of Physics : Conference Series 106
ページ: 012016-1-3
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Journal of the Vacuum Society of Japan 51
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http://www.camt.eng.osaka-u.ac.jp/hamaguchi/