研究課題/領域番号 |
19205003
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
篠原 久典 名古屋大学, 名古屋大学・大学院・理学研究科, 教授 (50132725)
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研究分担者 |
菅井 俊樹 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助教 (50262845)
北浦 良 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教 (50394903)
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キーワード | 単層カーボンナノチューブ / 二層カーボンナノチューブ / DNA / 高速液体クロマトグラフィー / カーボンナノチューブ・ハイブリッド物質 |
研究概要 |
平成19年度はおもに、糖Poly(PAP-alfa-Glc)、天然(シャケ精子の)や合成DNAを単層カーボンナノチューブのみならず、二層および多層(おもに三層)カーボンナノチューブに巻きつけたハイブリッド・ナノチューブを創製して、高い水溶性をもつカーボンナノチューブを合成して評価した。現在までに簡単な糖をナノチューブに巻きつけた2,3の研究例はあるが実際に生体活性をもつ糖をラップしたカーボンナノチューブは、申請者の研究グループが今年発表した研究(H. Doi et al. Chem. Phys. Lett. (2006))だけである。しかしこの報告では、糖とナノチューブのハイブリッド物質の創製をフォトルミネッセンスとAFM観察により確認しただけで、長さ方向の分離や、あるいは糖が二層カーボンナノチューブにラップされた水溶性ハイブリッド物質の合成には至らなかった。このような研究を背景に、初年度はCCVD法でューブの場合と同様の合成法(図2参照)により、糖Poly(PAP-alfa-Glc)が二層と三層カーボンナノチューブにラップした水溶性カーボンナノチューブ・ハイブリッド物質を合成することに成功した。 また、DNAとのハイブリッド物質も合成する。本申請者のグループは天然(シャケ精子)のDNAを単層カーボンナノチューブにラップした水溶性カーボンナノチューブの創製にすでに成功している。デユポン研究所のグループが2003年に発表した合成DNAをラップしたナノチューブと比べ、天然DNAラップのカーボンナノチューブはコストパフォーマンスの点で格段に優れ、将来、大量に水溶性カーボンナノチューブを合成するためには、天然DNAをラップしたナノチューブしかありえない。初年度は天然DNAを二層と三層カーボンナノチューブにラップして、世界に先駆けて水溶性の二層(三層)カーボンナノチューブを合成および評価した。
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