化学的に不活性とされていた炭素-炭素結合を遷移金属を触媒として用いることにより切断することに成功し、新しい炭素骨格構築法を開発した。特にエナンチオ選択的に炭素-炭素結合を切断して不斉四級炭素を構築する手法へと展開した。具体的には、ベンジル位に四級炭素をもつ6員環状のベンゾラクトンをフェノール置換シクロブタノンから高いエナンチオ選択性で不斉合成した。さらに3位にアリール基をもつシクロブタノールから両ベンジル位に不斉4級炭素をもつインダン骨格を立体選択的に構築する反応を開発した。また、有機材料として興味の持たれるアズレンの新合成法を見い出した。
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