微細Auナノ粒子を室温稼働単電子デバイスの単電子島として用いるためには、有機配位子層トンネル抵抗が低い必要がある。我々は、MΩレベルの抵抗を有するヘキサンチオール程度の低分子量アルカンチオールを用いても、室温でAuナノ粒子の粒径を制御する方法を開発した。さらなるトンネル抵抗の低減に向け、大環状π共役分子(ポルフィリンおよびフタロシアニン誘導体)を面配位させたAuナノ粒子の合成・物性評価を行ったところ、大環状π共役分子のπ軌道とAu軌道間相互作用が発現し、特異な光学特性を示すとともに、トンネル抵抗が劇的に減少することを見出した。また、サイズ揺らぎによる物性変化のないAu_<25>クラスターの大量合成、構造解析に成功した。一方、粒径2nm程度のAuナノ粒子が、電極間単電子輸送や室温クーロンブロッケードを発現することを見出した。
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