研究課題/領域番号 |
19205019
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福住 俊一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40144430)
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研究分担者 |
小島 隆彦 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (20264012)
末延 知義 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90271030)
大久保 敬 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特任研究員 (00379140)
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キーワード | 電荷分離 / 光捕集 / 超分子 / 水素結合 / ポルフィリン / 電子移動 / フラーレン / ナノチャンネル |
研究概要 |
光捕集系と長寿命電荷分離系を非共有結合(配位結合、水素結合、π-π相互作用)を用いて、電子移動過程を高次に組織化した超分子システムを構築した。配位結合とπ-π相互作用を利用した、多数の光合成反応中心を有する光電子移動システムのでは光捕集系としてポルフィリン分子をペプチド鎖で集合化したものを用い、電子移動特性に優れたC_60にイミダゾール基を導入して亜鉛ポルフィリンの亜鉛部位に配位させた。亜鉛ポルフィリンモノマーではその結合は弱いが、π-π相互作用が加わることで結合が強くなった。実際、この系は結合定数は10^6M^<-1>のオーダーになった。その電荷分離寿命は溶液中、室温で数ミリ秒という驚異的な値が得られた。光捕集系としてはその他にポルフィリンデンドリマーも用いた。この場合もポルフィリンペプチドオリゴマーと同様に配位結合およびπ-π相互作用により長寿命電荷分離系と組み合わせることが可能となった。また、C_60以外にも様々な電子受容体を用いることができた。例えばπ拡張ビオローゲン分子は、π-π相互作用だけでもポルフィリン集合系と超分子を形成して高次組織化光電子移動システムを構築できた。さらに、ドデカフェニルポルフィリンジカチオン(H_4DPP^<2+>)が形成する超分子ポルフィリンナノチャンネル(PNC)の電子供与性ゲスト分子(TTF)の選択的包接と結晶中での光電子移動に基づく、単結晶内での光電変換特性を発現させることができた。この電気伝導度には、PNC-TTF結晶の方向依存性があり、π-π相互作用が存在するc軸方向とc軸に垂直な方向とではc軸方向に約10倍大きい伝導性が得られた。
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