本研究では環境適合型高分子と天然無機ナノフィラーを用いて、エンジニアリングプラスチックスに応用可能な力学特性と難燃性を有する高性能グリーンナノハイブリッド材料を構築のための基盤技術を確立するとを目的とする。 1. 天然ナノフィラーの表面化学修飾 天然ナノフィラーとマトリクス高分子との界面相互作用と結晶化の促進はハイブリッド材料の物性を支配するため、界面相互作用制御と結晶性の促進を目的としたナノフィラーの表面化学修飾を検討した。具体的には、マトリクス高分子とナノフィラーの相互作用の強い官能基を導入するために、イモゴライトのAl-OH基と強い相互作用を示すリン酸基を片末端に、もう片末端に表面開始重合可能な有機低分子化合物をイモゴライト表面に導入した。イモゴライト表面にポリスチレンあるいはポリメタクリル酸メチルのグラフト鎖が形成を赤外吸収分光測定、XPS測定、AFM観察より確認した。 2. 種々の高分子材料とのハイブリッド化の検討 PSあるいはPMMAをグラフトしたイモゴライトと汎用高分子を用いてハイブリッド化を検討した。動的粘弾性測定、DSC、TGA測定などに基づき評価し、ハイブリッド化による耐熱性の向上を確認した。 3. 新規生体高分子系ハイブリッド材料の検討 DNAがイモゴライトとハイブリッドハイドロゲルを生成することを見いだし、その特異的な凝集構造と物性についても明らかにした。
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