研究課題/領域番号 |
19206001
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小長井 誠 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40111653)
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研究分担者 |
山田 明 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40220363)
宮島 晋介 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (90422526)
阿部 克也 信州大学, 工学部, 准教授 (70334498)
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キーワード | 太陽電池 / ヘテロ接合 / シリコン太陽電池 |
研究概要 |
低温成長微結晶3C-SiC(cubic SiC)や微結晶SiOを接合形成に用い、さらに新規な固定電荷制御パッシベーション膜を開発することにより、3年間の研究期間内に新型シリコンヘテロ接合太陽電池で、エネルギー変換20%以上を達成することを目指して研究を行った。初年度の成果は以下のとおり。 (1)デバイスシミュレーションと最適設計 ヘテロ接合太陽電池の最適化には、バンド不連続が電子や正孔の輸送特性に与える影響を解明する必要がある。本研究では、バンドオフセットにより太陽電池特性がどのように変化するか詳細に理論解析し、デバイス設計の指針を得た。 (2)新型ヘテロ接合のデバイス物理と製膜技術開発 初年度は、まず、n形微結晶3C-SiCとp形Siとのヘテロ接合太陽電池を試作し、面積1cm^2で16.7%の変換効率を達成した。また、p形微結晶SiOとn形Siとのヘテロ接合太陽電池では、面積1cm^2で17.1%の変換効率を達成した。これらの太陽電池のスペクトル感度特性は、特に短波長領域で優れており、ワイドギャップ窓層を用いた効果を明確に実証することができた。また、p形Siの新しいパッシベーション膜として、マイナスの固定電荷量を有するa-AlO膜の開発を行った。その結果、マイナスの固定電荷量3x10^<12>/cm^2という、従来になく有望な値を得ることができた。 (3)新型ヘテロ薄膜ならびに界面の評価 新型ヘテロ接合太陽電池のp形微結晶SiOならびにn形微結晶3C-SiC層は、10nm程度の極薄膜である。これらの膜は、多量の原子状水素の雰囲気で製膜されるため、製膜時に界面に多くの欠陥が生じることがTEM観察により明らかとなった。そこで界面にバッファ層を挿入する新技術を開発し、セル効率の大幅な向上に成功した。
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