研究課題/領域番号 |
19206008
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高井 幹夫 大阪大学, 極限量子科学研究センター, 教授 (90142306)
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研究分担者 |
若家 冨士男 大阪大学, 極限量子科学研究センター, 准教授 (60240454)
阿保 智 大阪大学, 極限量子科学研究センター, 助教 (60379310)
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キーワード | ナノビーム誘起堆積プロセス / 可干渉電子源 / ナノ間隙電子源 / 電子の干渉 / 干渉縞 / 電子のコヒーレンス長 |
研究概要 |
1. ナノビーム誘起堆積プロセスによるナノ間隙電子源の作製 これまでの研究で明らかにした最適なプロセスパラメータを用いて、プラチナナノ間隙電子源を作製した。このとき、エミッタの先端部分がナノ間隙となった電子の隣接放出サイトを形成した。電子源の作製と2.のパターンの観察とを繰り返して、コヒーレンスの良い電子線が得られる電子源の作製が可能となった。 2. ナノ間隙電子源から放出される電子線パターンの観察 ナノ間隙電子源から放出される電子線の放射パターンを観測し、電子線の干渉縞を制御するための研究を行った。電子源からの放出電子の干渉性を大きくするために、エミッタのプロセス温度の最適化を行った。また、エミッタ材料の結晶性や不純物分布などがエミッション特性に与える影響についても検討した。室温でのエミッションの閾値の評価と、エミッションパターンの観測を行う他に、研究期間内に完成させた装置によりエミッタをヘリウム温度程度に冷却し、その時のフィールドエミッションパターンとフィールドイオンマイクロスコピーの評価を行い、ナノ間隙の電子放出サイトの特定とプロセス条件や先端形状が、干渉縞に与える影響を明らかにした。 3. 電子のコヒーレンス長と可干渉 これまで得られた堆積プラチナ層の電子のコヒーレンス長と、プラチナエミッターより激出された電子の干渉縞の関係を明らかにした。さらに、室温でコヒーレンスの良い電子線を安定に得るためのエミッタ作製条件を決定した。また、このエミッタを用いたゲート付き電子源を作成することが出来、素子応用への可能性を検討した。
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