研究課題/領域番号 |
19206009
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 弘昌 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20006274)
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研究分担者 |
宮本 克彦 独立行政法人理化学研究所, テラヘルツ光研究プログラム, 研究員 (20375158)
南出 泰亜 独立行政法人理化学研究所, テラヘルツ光研究プログラム, 研究員 (10322687)
橋本 秀樹 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50222211)
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キーワード | テラヘルツ波 / 有機非線形光学結晶 / 量子エレクトロニクス / 差周波発生 / パラメトリック発振 / 光源技術 / 高性能レーザー |
研究概要 |
有機非線形光学結晶を用いた超広帯域(1〜100THz)/擬似CW単色テラヘルツ波源の開発の為、本年度は追尾型独立励起光源の開発とこれを用いたDAST結晶によるテラヘルツ波発生およびBNA結晶成長の最適化を主目的に研究開発を行った。 1.追尾型2波長独立ガルバノ制御(Tracking two-wavelength independent galvano-controlled:TTG)励起光源の開発および高効率テラヘルツ波発生有機非線形光学結晶DASTを用いたテラヘルツ波発生は、近赤外域2波長(λ_1,λ_2)を用い差周波発生(difference frequency generation:DFG)により実現できるが、これまではλ_2のみの制御(λ_1固定)による周波数掃引を行っていた為、位相不整合の影響を受けDAST-DFG本来のポテンシャルを引き出せていなかった。そこで、本研究では独立2波長を任意・自由・瞬時に発生できる波長敏捷性(agile性能)を有するTTG励起光源を開発した。TTG光源は2個のKTP結晶からなり、高精度ガルバノスキャナにより位置再現性5μradの精密角度制御を実現できた。次に、コヒーレンス長計算による位相整合条件を元に最適励起2波長の検討・判別を行った結果、周波数ごとに最適2波長をTTG励起光源により同調・追尾を行う事で高効率なテラヘルツ波発生に成功した。高周波領域では従来の5倍の出力を得る事ができた。 2.BNA結晶成長条件の最適化今年度は、BNAの高品質・大型単結晶を恒常的に得るために垂直ブリッジマン法の成長条件の最適化を行った。その結果、確実に高品質結晶を得られるアンプル形状を確定する事ができ、恒常的に一定の水準の結晶を得る事が可能になった。特許申請等を目指して、このアンプル形状での結晶成長の成功率を定量的に評価していく段階にまで到達する事ができた。
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