研究概要 |
本研究では,数100mm平方の広い面積にナノメートルオーダの超微細構造が展開された加工物を加工対象とする広域ナノパターンジェネレータ(ANGEL)を開発すると共に,それを用いてナノ加工を行い,その加工機構とナノ加工特性の解明を研究目的としている.平成20年度は主として,超精密微細加工システム(ANGEL)の更なる機能高度化を行なうと共に,完成したシステムの加工特性について評価を行った.その結果,以下のような研究成果を得た. 1.開発済みのXY平面ナノ位置決めテーブルシステムの駆動範囲を拡張するため,提案するハイブリッドリニア駆動機構を組み込み,その位置決め特性評価を行なった.その結果,長ストロークにおいてナノメートルオーダの位置決めが実現可能であることを実際の駆動実験により確認した.この機能拡張により,加工面積はそれまでの約100倍に拡大され,広範囲のナノ加工が可能となった. 2.構築した全駆動軸を同時に制御可能な新たな制御システムを構築すると共に,各軸の運動制御に切削力補償システムを組み込むことによって,広範囲にわたってナノメートルオーダのXYZ方向の3軸同時制御加工を実現した. 3.開発した超精密微細加工システムを用いて,工作物への微細表面形状の創成実験を行った結果,数10ナノメートルの形状創成が加工であることを確認した. 以上の結果から,本研究で開発された新たな機能と構造を具備した超精密微細加工システムが広範囲にわたってナノメートルオーダの微細加工を実現可能であることを示し,その有効性を明らかにした.
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