研究課題/領域番号 |
19206018
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
安武 潔 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80166503)
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研究分担者 |
垣内 弘章 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10233660)
大参 宏昌 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00335382)
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キーワード | シリコン / 大気圧プラズマCVD / 大気圧プラズマ酸化 / 大気圧プラズマ窒化 / 半導体プロセス / 全低温プロセス / エピタキシャル成長 / ドーピング・エピ技術 |
研究概要 |
大気圧プラズマを用いた低温・高濃度ドーピングSiエピ技術、および酸化・窒化技術を開発することにより、500〜600℃以下の全低温半導体デバイスプロセスを確立することを目的とする。 大気圧プラズマCVDによるSiウェーハ上でのSi成長特性を調べた結果、成長温度Ts=470〜570℃で無欠陥のSiエピ成長に成功した。成長速度は、従来900℃以上の熱CVD法で得られていた値と同等であること、エピ層の少数キャリア発生寿命は、単結晶Siウェーハよりも優れており、高性能半導体デバイス作製に適用できることが明らかになった。B_2H_6をp型ドーピングガスとして、エピ成長実験を行った結果、570℃において約10^<20>cm^<-3>の高濃度Bドーピングエピ成長に成功した。成長したエピ膜は、断面透過電子顕微鏡観察から無欠陥であること、ホール移動度のキャリア濃度依存性がバルクSi単結晶と同じであり、高品質であることを確認した。 n^+およびp^+層の作製が可能な独立した2チャンバー大気圧プラズマプロセス装置を設計製作した。直径6インチの基板サイズに対応し、2チャンバー間の基板搬送によって連続プロセスが可能な装置とした。 単結晶Siウェーハの大気圧プラズマ酸化実験を行った結果、150〜400℃で6〜14nm/minの高速酸化が実現された。また、界面準位密度は6×10^<10>eV^<-1>cm^<-2>程度であり、デバイス応用可能であることが分かった。 精密分光計測により、Si成膜中の大気圧プラズマのガス温度を測定した。その結果、基板表面温度とガス温度の差は高々数10℃であり、高温ほど差が小さいことが分かった。第一原理分子動力学計算結果から、高品質Siエピ成長機構において、プラズマガス温度による加熱効果は小さいのに対し、化学反応熱が表面第2層までに局在することが表面原子のマイグレーション促進に寄与している可能性が示唆された。
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