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2009 年度 実績報告書

気液界面を通してのスカラ輸送に及ぼす雨滴とウインドシアーの相乗効果

研究課題

研究課題/領域番号 19206023
研究機関京都大学

研究代表者

小森 悟  京都大学, 工学研究科, 教授 (60127082)

研究分担者 黒瀬 良一  京都大学, 工学研究科, 准教授 (70371622)
高垣 直尚  京都大学, 工学研究科, 助教 (00554221)
キーワード環境乱流 / 乱流 / 混相流 / 数値流体力学
研究概要

地球温暖化予測の精度を向上させるうえで,気液界面を通しての物質移動機構を解明することは非常に重要である.本研究では,降雨のみが単独で存在する場合と,降雨と風が共存する場合の2つの場合に対して,物質輸送に関する室内実験を行うことにより,降雨が気液界面下の乱流構造および気液界面を通してのスカラ輸送に及ぼす影響と,降雨とウィンドシアーの相乗効果により気液両相の乱流構造とスカラ輸送機構がどのように変化するかを明らかにすることを目的としている.
今年度は,昨年度に行われた降雨中における二酸化炭素ガスの放散実験を通して確立された測定手法を用い,様々な降雨・風速の条件に対して二酸化炭素ガスの放散実験を行った.その結果,降雨による物質移動係数は風の有無によらず,雨滴の鉛直方向運動量フラックスにより良好に相関されることを明らかにした.
また,昨年度確立された落下液滴衝突現象に関するLevel-set法をベースにした数値計算手法を用い,実験的に観察が困難な液滴衝突直後の気液界面近傍の流動構造および気液界面を通しての物質輸送機構について検討した.その結果,径が小さな液滴の自由界面衝突時における運動量と生成される渦輪の強度の間には,径が大きな液滴と同様の相関関係が成立することを明らかにした.さらに,液滴が界面に対して斜めに衝突する場合では,気液界面を通しての物質移動が鉛直衝突時に比べてより促進される可能性を示した.
以上,3年の研究期間を通して,単一液滴衝突により引き起こされる気液間物質移動機構を実験・計算研究を行うことにより解明した.さらに,降雨装置を上部に取り付けた風波水槽を用いることにより,風波気液界面を通しての物質移動は降雨により促進されること,そして降雨強度と物質移動係数との相関関係の一端を明らかにした.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Experimental study on effect of relative humidity on heat transfer of an evaporating water droplet in air flow2010

    • 著者名/発表者名
      A.Fujita, R.Kurose, S.Komori
    • 雑誌名

      International Journal of Multiphase Flow 36

      ページ: 244-247

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Drag and lift forces acting on a spherical gas droplet in homogeneous linear shear liquid flow2010

    • 著者名/発表者名
      K.Sugioka, S.Komori
    • 雑誌名

      Journal of Fluid Mechanics (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The effects of rain on wind-wave turbulent flow2009

    • 著者名/発表者名
      N.Takagaki, K.Iwano, S.Komori
    • 雑誌名

      Advances in Turbulence 12

      ページ: 919-920

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 大気・海洋間のCO2移動に及ぼす降雨の影響2009

    • 著者名/発表者名
      高垣直尚, 小森悟, 鈴木直弥
    • 雑誌名

      日本海水学会誌 63

      ページ: 231-236

  • [学会発表] 気液界面を通しての二酸化炭素交換に及ぼす降雨の影響2010

    • 著者名/発表者名
      高垣直尚, 小森悟
    • 学会等名
      京都大学 数理解析研究所 共同研究集会「乱流の動力学的記述と統計力学的記述の相補性」
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      20100113-20100115
  • [学会発表] 風波気液界面を通しての二酸化炭素移動に及ぼす降雨の影響2009

    • 著者名/発表者名
      高垣直尚, 竹安恵一, 岩野耕治, 小森悟
    • 学会等名
      第87期日本機械学会流体工学部門講演会
    • 発表場所
      名古屋工業大学
    • 年月日
      20091107-20091108
  • [学会発表] Heat and mass transfer across the wavy sheared interface in wind-driven trubulence2009

    • 著者名/発表者名
      S.Komori, R.Kurose, S.Ohstubo, K.Tanno, N.Suzuki
    • 学会等名
      Proc. Of 6th International symposium on turbulence and shear flow phenomena
    • 発表場所
      ソウル国際大学
    • 年月日
      20090622-20090624
  • [学会発表] 単一液滴衝突時における液側流動場の直接数値シミュレーション2009

    • 著者名/発表者名
      高垣直尚, 中島裕一郎, 黒瀬良一, 小森悟, 馬場雄也
    • 学会等名
      日本流体力学会年会2009
    • 発表場所
      東洋大学
    • 年月日
      2009-09-04
  • [備考]

    • URL

      http://www.fluid.me.kyoto-u.ac.jp/

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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