研究概要 |
医療等において,生体と直接接する機器では,ソフトマイクロメカニズムの重要性が高い.1mm~1cm程度の大きさのゴム製の微細構造体を作ることにより,従来の機械とは大きく異なった性質や機能を持つフレキシブルマイクロメカニズムが実現できる.本研究は,(1)その基盤技術を確立するとともに,(2)数種類のフレキシブルマイクロメカニズムを設計試作し,その可能性を具体的に実証することを目指して進めた. 具体的には,(1)に関しては,(1)ゴムの慣性および粘弾性特性を考慮した有限要素解析に基づいたフレキシブルマイクロメカニズムの設計手法の確立,(2)数μmレベルの精度を持った安定したモールドゴム成形プロセスの実現,(3)エキシマ光源を用いたオゾン処理によるゴムの接合技術の確立,および,(4)数10μmレベルの精度を持ったマイクロ押し出し成形プロセスの確立,(5)ゴム表面の変形動作の3次元計測技術の確立,の5点を実現することを目指した. (2)に関しては,マイクロバルブ,大腸内移動マイクロメカニズム,マイクロ受動歩行メカニズムの3つを具体的なターゲットとして設計,試作,評価した.
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