研究課題
磁束集束化による高密度モータを開発するため、高磁束密度下1.9Tまでの電磁鋼板のベクトル磁気特性の測定を完遂した。高磁束密領域におけるベクトル磁気特性はこれまでの予想と大きく異なり、結晶磁気異方性の影響を強く受け、圧延方向から約60度の方向に磁気困難性を発現し、その程度は圧延方向に直角な方向の磁気困難性を大きく上回っている。このことは従来法による磁場解析や設計法は全く適用できず、その困難性を改めて明らかにすることができた。これにより高磁束密度下のモータ設計の要となるダイナミックE&Sモデルによるベクトル磁気特性解析が唯一現存する手法では可能となる。以上のことから、(株)安川電機と共にモータの高磁束密度設計を行い、新たな高効率高密度永久磁石モータ(SPMタイプ)を開発した。具体的には1.8Tの設計を実現した。これにより、パワーレート1.5を実現することが確認できた。これは予想を上回る成果となった。また、モータの固定子鉄心側に発生する回転磁束を減少させるため、鉄心歯部裏側付近に適切な穴を空けることにより回転磁束の軸比を減少させる方法を発見した。これにより、回転磁束鉄損を減少させることができ、モータの高効率化に繋がる。以上の成果をまとめると以下のようになる。(1) 1.9Tまでの電磁鋼板のベクトル磁気特性を明らかにした。(2) ダイナミックスE&Sモデルによるベクトル磁気特性解析により、高磁束密度機器設計を可能にした。また、永久磁石の磁束収束化配列法により、ギャップ磁束1.8Tを実現した。(3) 開発した磁束集束化による試作モータはパワーレート1.5を有する高密度モータとなった。(4) 他方、3次元磁気歪みとベクトル磁気特性の関連を明らかにするし、応力とベクトル磁気特性を関連づけ、応力によるベクトル磁気特性の制御方法の可能性に関する基礎的知見を得た。これにより、高磁束密度領域での高効率化設計手法を確立できる見込みである(5) 今後、磁束収束化法の有用性を高め、ベクトル磁気特性を活用することで、低速回転多極発電機の開発が有望視されることが明確となった。
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