研究課題/領域番号 |
19206031
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
本久 順一 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60212263)
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研究分担者 |
橋詰 保 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 教授 (80149898)
池辺 将之 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (20374613)
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キーワード | 半導体ナノワイヤ / 量子集積ハードウェア / 電界効果トランジスタ / 有機金属気相成長法 / 選択成長 / 論理回路 |
研究概要 |
平成21年度は半導体ナノワイヤによる横型/縦型の電界効果トランジスタ(FET)の作製・評価とその性能向上、およびこれらによる集積ハードウェアの構築のため以下の点を中心に研究を行なった。まず、Si基板上に成長した単一のInAsナノワイヤに対して、原子層堆積(ALD)法によりHfAlO絶縁膜を形成した後、ゲート電極堆積、BCB埋め込み平坦化、エッチング、ドレイン電極形成といったプロセスを行うことにより、縦型サラウンディングゲートランジスタの作製に成功した。電気的特性の評価の結果、良好なnチャネルFETとして動作していることが確認された。さらにコアシェル構造ナノワイヤを用いる、もしくはアニールなどのプロセス改善手法を導入することにより、on/off比の改善やサブスレショルドスロープの低減などが示された。一方、横型FETにおいては、プロセスの改善によりon電流が従来のFETより1桁向上することが確認され、またコアシェル構造を利用したチューブ状チャネルのFETを作製した。同時に、ナノワイヤ作製の高スループット化のため、ナノインプリント技術を用い選択成長用マスク基板を作製した。円形の突起を有するモールドを利用し、Si基板上に開口直径200nmのSiO_2パターン得ることに成功し、また選択成長にも成功したが、良好なGaAsナノワイヤを得るためには、開口直径のさらなる微小化などの改善が必要であることがわかった。同時に、pチャネルFET用ナノワイヤの実現を目指し、GaSbの選択成長を行なった。その結果、選択成長に用いたGaAsの基板面方位により選択成長される構造の形状や被覆率が大きく異なることや、ある成長条件の元でのGaAs(111)B基板上においては、GaSbのピラミッド構造が形成されることが示された。一方、InP(111)A面上ではGaSbウィスカがマスク開口部に形成された、これは自己触媒により気相-液相-固相(VLS)成長したものと考えられる。
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